パイナップルという果物は日本では非常に日常的なものです。
子供のころに風邪を引くと、パイナップルの缶詰などを食べた経験のある人も多いのではないでしょうか?
風邪でパイナップルを食べることはビタミンC補給が目的ですが、実は生のパイナップルの中にはパイナップル酵素という成分があります。
これが美肌や健康に大きな効果を発揮するのです。
今回はそんなパイナップルの、
・パイナップル酵素の効果と効能
について徹底的にご紹介します。
パイナップル酵素とは何のこと?
パイナップルには消化酵素である「ブロメライン」が存在します。
タンパク質の分解酵素として活躍する酵素です。
そもそも初めてパイナップル酵素というものの存在を知った人も多いはずです。
まずはその解説から入りましょう。
そもそも酵素とは何のこと?
まずはそもそも酵素とは何か、という解説をします。
酵素とは
酵素とは体内で発生しているさまざまな化学反応の触媒を担う特殊なタンパク質の総称です。
いくら栄養を摂っても酵素がなければそれはエネルギーや身体の一部にはならないのです。
その酵素には2種類あります。
1つは野菜や果実などの食べ物に含まれる食物酵素。
もう1つは身体の中で作られる体内酵素です。
体内酵素はさらに2つに分かれ、食べ物の消化を促進する消化酵素と、細胞の修復やエネルギー発生を行う代謝酵素に分類されます。
酵素はあらゆる生命反応を媒介している
上で書いたように身体の中に酵素がなければ人間は1秒たりとも生きていることができません。
その酵素は人間の身体の中に3000種類以上あるといわれています。
たとえば消化酵素の中には、唾液に含まれデンプンを分解するアミラーゼや、胃液に含まれタンパク質を分解するペプシン、脂肪を分解するリパーゼなどがあります。
これらの酵素がなければ、何を食べても栄養にならず、身体のエネルギーは生み出されません。
また代謝酵素は、
・エネルギーの生産
・有害物質の解毒
に作用します。
たとえば、
・スーパオキシド・ジスムターゼ(SOD)
・グルタチオンペルオキシダーゼ
などは、「抗酸化」機能を維持する酵素です。
抗酸化とは簡単に言えば、身体の老化を防いだリ、身体の細胞を傷つけ、ガンの原因にもなる活性酸素を除去することです。
酵素は代謝を高める
また酵素は、身体の代謝に作用します。
・血液を通じて細胞が酸素と栄養素を受け取る
・燃焼させてエネルギーを発生
・燃焼した残りを体外に排出する
これらの循環作用をサポートしています。
ですから酵素によって代謝がよくなると、たとえばエネルギーの燃焼がよくなるのです。
・老廃物がどんどん排出されるのでむくみが取れる
・腸内の細胞が活性化して便秘や消化不良が治ったりする
これらの効果があります。
不足した酵素は食べ物で補おう
このように非常に重要な酵素ですが、残念ながら加齢とともに体内の酵素の量は減少します。
そうなると、
・栄養不足
・代謝不良
・解毒作用の低下
などが起こるのです。
代謝酵素がなくなると、身体のあちらこちらで不調が発生します。
それを防ぐには、食品などによって積極的に体内に酵素を摂取するのが有効と言われています。
たとえばアミラーゼは大根やカブを食べることで補給できます。
ただし、酵素は熱に弱いので、加熱した食品からは摂取できません。
したがって生野菜や生の果物で摂取することが非常に重要なのです。
パイナップルにも酵素が!その名は「ブロメライン」
このように非常に重要な酵素ですが、パイナップルの中にもパイナップル酵素があります。
その名称はブロメラインと言います。
働きとしては、主には消化酵素として、タンパク質を分解することです。
タンパク質の分解効果を料理に使っているケースあります。
具体的には、中華料理の酢豚や、ハンバーグなどにパイナップルが入っていた経験はありませんか?
あれは味のためではなく、パイナップル酵素であるブロメラインが肉のタンパク質を分解するので、肉が柔らかくなる、という効果を狙ってのことなのです。
もちろん酢豚にパイナップルが入っている理由はタンパク質分解効果を期待しているだけではありません。
酢豚の風味や甘みのコクを出すためでもあります。
パイナップルを食べると刺激があるのもブロメラインのせい
このパイナップル酵素の力はかなり強いものです。
たとえば生のパイナップルを食べた時に、舌がピリピリするような経験をしたことはありませんか。
その原因は、パイナップル酵素が舌の上や頬の粘膜にあるタンパク質を徐々に溶かしてしまうために発生していることです。
タンパク質が溶けてしまうため、舌や頬の中の組織である粘膜が露出し、これが刺激を感じてしまっているわけです。
ではこのパイナップル酵素=ブロメラインが身体にとって害のあるものかというと、全く逆です。
アメリカのメリーランド大学医学部が提供している「医療ガイド」に、
・関節痛の痛みを和らげる効果
を紹介しているほど体には良いものなのです。
その効果について以下で詳しくご紹介します。
パイナップル酵素の効果、効能とは?
ではパイナップル酵素にはどのような効果、効能があるのでしょうか。
消化吸収を促進
・消化機能の改善
に効果が期待できます。
先ほどから書いているように、パイナップル酵素の最大の効果はタンパク質の分解して、肉などを消化しやすくすることです。
これによって胃もたれも起きず、消化機能の改善に伴って全身の代謝も向上します。
便秘の解消
・腸の蠕動運動の活性化
に効果が期待できます。
タンパク質が消化されずに腸まで届くと、そのまま吸収されないで腸内に残存し腐敗してしまいます。
するとそれは有毒ガスを発生したり、腸内環境を悪化させる悪玉菌のエサになります。
しかしパイナップル酵素があることで、悪玉菌の発生を抑え、逆にそのバランスで善玉菌が増えます。
したがって、腸の蠕動運動が活発化し、便秘が解消されるのです。
代謝改善による美肌効果
・キメのある肌に整う
などの効果に期待できます。
身体の代謝が改善するということは、健やかに皮膚が生まれ変わり常に表面にある肌はキメの整った状態になるということでもあります。
さらに皮膚の細胞に栄養が行きわたるので、肌の弾力の元であるコラーゲン産生も増え、肌にハリが出て、シワができにくくなります。
このようにパイナップル酵素は美肌効果ももたらします。
血栓発生の予防
血管から出血した場合に、止血を行うのはフィブリノーゲンという物質です。
しかしこれが加齢や栄養の偏りなどによって増え過ぎると、血栓といって、血管を詰まらせる物質となってしまいます。
この血栓が毛細血管で発生している間はそれほど健康に影響はありませんが、太い血管、それも心臓や脳につながる血管で発生すると、それは即、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。
パイナップル酵素はそのフィブリノーゲンも溶かす性質があるので、このような怖い病気に原因になる血栓の発生を予防してくれるのです。
関節痛の緩和
変形ひざ関節症やリウマチ治療にも使われています。
パイナップル酵素はタンパク質を溶かすほか、蕎麦に含まれ加齢によって硬くなった毛細血管に弾力を与えるルチンという物質が入っています。
これが一緒に働いて、関節炎の消炎や鎮痛効果も発揮します。
ですので医療分野ではパイナップル酵素=ブロメラインは、変形膝関節症やリウマチの治療のための内服薬としても用いられています。
アレルギー症状の緩和
パイナップル酵素にはヒスタミンという物質を減少させる働きもあります。
このヒスタミンという物質は、
・ニキビ
・アトピー性皮膚炎
などの痒みや発疹を発生させます。
したがってパイナップル酵素が体内でのこのヒスタミンの量を減少させることで、アレルギー反応が低下することが期待できます。
そして花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が緩和するのです。
火傷や傷口の治療
パイナップル酵素は食品として食べるだけでなく、成分を抽出して塗り薬にも配合されています。
配合の目的は、パイナップル酵素のタンパク質分解効果を用いて、火傷や傷口にあるかさぶたを溶かし、除去し、新たな皮膚の再生を促進することです。
パイナップル酵素はどうやって摂ったらいいの?
このように身体の健康や美肌にとってなくてはならないパイナップル酵素ですが、ではどのように身体の中に摂取したらよいのでしょうか。
食品として摂取する
まず1番よいのは、食品として生のパイナップルを食べることです。
缶詰のパイナップルは1度過熱しているので、効果はありません。
パイナップル酵素に力を発揮してもらうなら、生で食べるのがベストです。
参考までにそのパイナップルの選び方と切り方は以下の通りです。
まず甘くて熟しているパイナップルを選ぶには、そのお尻部分に注目しましょう。
そのお尻が黄色くなっているほど甘く熟したパイナップルです。
また切り方の手順は以下の方法がやりやすいです。
2. 縦に立てて、ゴツゴツした皮部分を端から切り落とす
3. 縦に4等分にして、芯を切り落とす
4. 一口大に切り、タッパーに保存し、よく冷やしてから食べる
いくら生でも、カットされたりして長期間放置されているパイナップルの酵素は少なくなってしまいます。
酵素は空気に触れることによる酸化にとても弱いのです。
したがって、パイナップルを生で食べるときは、一個丸ごとのものを買って食べた方が酵素の量が多いです。
とは言ってもパイナップルは皮が固く、切るのにも一苦労しますよね?
そんなときは様々な酵素をギュッと圧縮したような生酵素サプリメントを摂取すると気軽に酵素が取れます。
サプリとして摂取する【おすすめ!!】
またパイナップル酵素のブロメラインを抽出してサプリメントにしたもので摂取する方法もあります。
たとえば「LIFE STYLE パパイヤ&パイナップルエキス」というサプリはパイナップルエキスのほかに、やはり酵素であるパパイヤエキスを配合したサプリです。
酵素もバランスよく摂ることが重要です。
理由は酵素には様々な種類があり、どれが自分にあってるかわからないからです。
酵素にはその野菜や果物ごとに様々な種類があります。
上記のようにパイナップルやパパイヤのみの酵素だけではなく、様々な種類の酵素サプリを試してみると良いでしょう。
おすすめはまあるい旬生酵素です。
・酵素数310種類
・乳酸菌数22種類
と酵素の力を最大限に引き出すことができるサプリメントです。
まあるい旬生酵素にはパイナップルの酵素もしっかり入っています。
参考まあるい旬生酵素とパイナップル
管理人も体験してみましたが、いい感じです。
1,000円以下で始めることができるので、検討して見ても良いと思います。
塗り薬として使用する
さらには、塗り薬も販売されています。
ジェイドルフ製薬の「ブロメライン軟膏5万単位/g」というものです。
病院に行って診察を受けそののちに医師に処方箋を書いてもらわないと買えない処方薬です。
その処方箋を調剤薬局に持参すれば通常20gのチューブのものが購入できます。
薬だけの費用は20gで保険適用の3割負担分で、150円程度です。
しかし実際にはここに病院での診察代と処方箋代、そして調剤薬局での調剤代が乗りますから、一般的には1,000円と少しくらいだと思っておけばよいでしょう。
このブロメライン軟膏の効果は先ほど言った、かさぶたを除去し新しい皮膚の再生を促すことです。
ですから用いられる症状としては、
です。
パイナップル酵素を摂取する上の注意点
以上のように効果の高いパイナップル酵素ですから積極的に摂取することをおススメします。
しかし摂取するうえでの注意点がいくつかあります。
生のまま食べる
1つは先ほども触れたように、パイナップルであれば生で食べることです。
加熱してしまうと、パイナップル酵素の効果はなくなるので、しっかり効果を得るには生で食べましょう。
缶詰で食べるのは効果なしです。
酢豚に入れるのは入れた時には生ですから肉を柔らかくしてくれますが、食べる時には加熱された後なので、パイナップル酵素効果はありません。
食べ過ぎに注意
またパイナップル酵素=ブロメラインは先ほど刺激があると書いたように、非常に作用が強い酵素です。
したがって、食べ過ぎると胃壁のタンパク質が溶かされ、粘膜が露出して胃痛などを引き起こすこともあり得ます。
ですから食べすぎないようにしましょう。
空腹時には避ける
空腹時には胃の中で胃酸がしきりに分泌されていますが、実は胃酸の中にもパイナップル酵素と同じブロメラインが含まれています。
したがって、空腹時にパイナップルを食べると胃の中ではブロメラインが過剰になってしまい、やはり胃壁のタンパク質を溶かして胃痛をもたらしてしまいます。
ですから食べるのであれば、デザートの時にしましょう。
まとめ
パイナップル酵素の優れた効果があります。
パイナップルは、食物繊維の多い野菜や、ビタミンCが豊富な果物、あるいは納豆などの発酵食品などと比べてやや「影が薄い」食品です。
美肌や健康に効果がある食品として取り上げられることも少ないです。
しかし、実はこのようにパイナップル酵素によって非常に美肌と健康に効果のあるものなのです。
そして何より甘くておいしいです。
ですからこれをお読みなった人は食べ過ぎに注意しながら、積極的にパイナップルを食べ、パイナップル酵素を摂取し、健康と美肌を目指しましょう。